大河ドラマ「豊臣兄弟!」では、賤ヶ岳の戦いに続き、羽柴秀吉と徳川家康が初めて直接対決する小牧長久手の戦いが描かれます。
一般には「秀吉と家康が戦った戦い」として知られていますが、主人公・小一郎(仲野太賀)は長久手で徳川家康と直接戦ったわけではありません。しかし伊勢や美濃方面の戦線や終戦交渉で重要な役割を果たしました。
史実の羽柴小一郎長秀(のちの豊臣秀長)は伊勢・美濃方面の別働隊として兄・秀吉の養嗣子である羽柴秀勝(於次丸)を補佐し、さらに織田信雄と和睦したのちに秀吉に正式に臣従させるという重要な外交実務も担当しました。
この記事では、「豊臣兄弟!」で小牧長久手の戦いがどのように描かれるのか、秀長の活躍を中心に、史実も交えながらわかりやすく解説します。
→ 小牧長久手の戦いはなぜ起きた?
→ 小牧長久手の戦いはなぜ和睦した?
→ 豊臣秀長とは?豊臣秀吉の弟
→ 豊臣兄弟!羽柴秀勝(柊木陽太)とは?
→ 豊臣兄弟! 織田信雄(山脇辰哉)とは?
結論|豊臣兄弟!小牧長久手の戦いとは?
「豊臣兄弟!」で描かれる小牧長久手の戦いは、兄・羽柴秀吉(池松壮亮)と徳川家康(松下洸平)が直接対決する重要な合戦です。
見どころは次のとおりです。
・秀吉と徳川家康が直接対決する
・小一郎は伊勢・美濃方面で羽柴秀勝(柊木陽太)の指揮を補佐
・長久手では羽柴勢の三好信吉(山田涼介)が家康に大敗する
・小一郎が織田信雄(山脇辰哉)との外交を担当
・秀吉が天下統一へ向かう大きな転換点となる
「豊臣兄弟!」では長久手での戦闘だけでなく、兄・秀吉を支える小一郎の軍事・外交両面での活躍が大きな見どころになるでしょう。
→ 小牧長久手の戦いはなぜ起きた?
→ 小牧長久手の戦いはなぜ和睦した?
→ 豊臣秀長とは?豊臣秀吉の弟
→ 豊臣兄弟!羽柴秀勝(柊木陽太)とは?
→ 豊臣兄弟 織田信雄(山脇辰哉)とは?
→ 豊臣兄弟! 三好信吉(山田涼介)とは?
豊臣兄弟!で小牧長久手の戦いはどう描かれる?
34話以降で秀吉と家康が直接対決する
賤ヶ岳の戦いに勝利した羽柴秀吉は、筆頭家老として織田家の実権を握る存在となりました。
しかし、織田家の名代である織田信雄は、家臣に過ぎない秀吉が天下の政務を主導し始めたことに反発します。
そこへ徳川家康が信雄を支援したことで、羽柴軍と織田・徳川連合軍による全面対決が開始。
NHKのガイドブックでも、この戦いは「秀吉の前に最強の宿敵・徳川家康が立ちはだかる戦い」と紹介されており、天下統一を目指す秀吉にとって最初の大きな試練として描かれるようです。
→ 賤ヶ岳の戦いとは?戦局と戦闘の推移を解説
→ 豊臣兄弟! 三好信吉(山田涼介)とは?
小一郎は伊勢方面で別働隊を率いる
小牧長久手の戦いというと、多くの人は長久手や小牧山で行われた戦闘を思い浮かべるかもしれません。
しかし史実の羽柴小一郎長秀(のちに羽柴美濃守秀長に改名)は、尾張の長久手の戦いなどで徳川家康と直接戦ったわけではありません。
秀長は伊勢方面の別働隊を率い、松ヶ島城攻略をはじめ、織田信雄の領国へ圧力をかける重要な任務を担当しました。
つまり秀長は、家康軍と正面から戦うのではなく、別戦線から兄・秀吉を支える役割を担っていたのです。
そのため「豊臣兄弟!」では、これまでのNHK大河ドラマで描かれた小牧長久手の戦いとは異なり、小一郎の活躍にスポットが当たった戦闘が描写される可能性があります。
羽柴秀勝(於次丸)の補佐役を務める
この戦いでは、秀吉の養嗣子である羽柴秀勝(於次丸)も重要な存在でした。
秀勝は織田信長の孫・三法師に次ぐ織田家の後継者候補として、羽柴政権の正統性を支える立場にありました。
史実における羽柴小一郎長秀は伊勢松ヶ島城攻略の総大将となった秀勝を補佐。大河ドラマの「豊臣兄弟!」でも小一郎が若い羽柴秀勝(柊木陽太)を支える姿が描かれるかもしれません。
小牧長久手の戦いとは?
小牧長久手の戦いとは1584(天正12)年3月から11月にかけて発生した羽柴秀吉軍と織田信雄・徳川家康連合軍が激突した戦いです。
小牧長久手の戦いはなぜ起きた?
小牧長久手の戦いは、賤ヶ岳の戦い後に織田家内部で起きた政治的対立から始まりました。
織田家の名代である織田信雄は、宿老という立場を超えて天下の政務を主導し始めた羽柴秀吉に反発。
さらに徳川家康が信雄を支援したことで、両陣営による全面的な戦いに発展しました。
小牧長久手の戦いはなぜ起きたかといった、詳しい経緯については、下記の記事で解説しています。
→ 小牧長久手の戦いはなぜ起きた?
→ 織田信雄とは?織田信長の次男
小牧長久手の戦いはなぜ和睦で終わったのか?
1584(天正12)4月9日に起きた長久手の戦いにおいて、羽柴孫七郎信吉(三好信吉のこと。のちの豊臣秀次)率いる1万6,000の軍勢が、徳川家康や榊原康政らの軍勢に挟撃され、3人の大将(池田恒興・池田元助・森長可)を含む1万以上もの将兵が討ち取られるという大敗北を喫しました。
このように戦いの前半戦は織田信雄・徳川家康が優勢な形で戦闘が推移しました。
しかし同年11月になると羽柴秀吉は、織田信雄と単独で和睦したことをきっかけとし、信雄、次いで家康を正式に臣従することを誓わせています。
なぜ局地戦闘で劣勢にあった羽柴秀吉が、なぜ織田信雄・徳川家康連合軍を分断することに成功し、戦略的勝利を収めることができたかについては、下記の記事で詳しく説明しています。
→ 池田恒興とは?信長の乳兄弟
→ 池田恒興の最後
→ 三好孫七郎信吉とは?羽柴孫七郎信吉の1つ前の名前
→ 小牧長久手の戦いでなぜ秀吉は信雄と家康に和睦できたのか?
FAQ|豊臣兄弟!小牧長久手の戦いについて
Q. 「豊臣兄弟!」で小牧長久手の戦いはいつ描かれますか?
A. NHK公式ガイドブックによると、34話以降の重要なエピソードとして描かれる予定です。
Q. 豊臣秀長(小一郎)は長久手で徳川家康と戦いましたか?
A. 戦っていません。
史実の秀長は伊勢方面の別働隊を率いており、長久手での局地戦には参加していませんでした。
Q. 長久手の戦いはどちらが勝ったのですか?
A. 局地戦として徳川家康が別働隊を率いる三好信吉(羽柴孫七郎信吉。のちの豊臣秀次)に勝利しました。
池田恒興・池田元助・森長可ら羽柴軍の有力武将が戦死しています。
Q. 豊臣秀長は小牧長久手の戦いで何をしましたか?
A. 伊勢・美濃方面で軍事行動を行い、秀吉の養嗣子で別働隊総大将の羽柴秀勝を補佐しました。
終戦工作をするために秀吉の名代として織田信雄との和睦交渉を担当しました。
豊臣兄弟!の小牧長久手の戦い 関連記事
小牧長久手の戦いはなぜ起きたのか
1584(天正12)年3月から11月の小牧長久手の戦いが起きた主な理由は、賤ヶ岳の戦い後に織田家内部で起きた、名代の織田信雄と宿老の羽柴秀吉の政治的対立です。
小牧長久手の戦いはなぜ和睦したのか
小牧長久手の戦いの結末は羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)が、織田信雄・徳川家康と和睦し、最終的に臣従を誓わせています。
局地戦では負けなかった徳川家康らがなぜ秀吉に従うことになったかについては、下記の記事で詳しく説明しています。
小牧長久手の戦い 関連人物
羽柴小一郎長秀
羽柴小一郎長秀とは、のちの豊臣秀長のことです。
小牧長久手の戦いが始まった時期は「羽柴小一郎長秀」を名乗り、終わりごろの時期になると「羽柴美濃守秀長」と改名したと考えられています。
羽柴孫七郎信吉
羽柴孫七郎信吉とは、のちの豊臣秀次のことです。
小牧長久手の戦いが始まった時期は「羽柴孫七郎信吉」を名乗り、終わりごろの時期になると「羽柴孫七郎秀次」と改名したと考えられています。
→ 豊臣秀次とは?豊臣秀吉の甥
→ 三好信吉とは?羽柴孫七郎信吉の1つ前の名前
→ 豊臣兄弟! 豊臣秀次(山田涼介)とは?
→ 豊臣兄弟! 三好信吉(山田涼介)とは?
羽柴秀勝(於次丸)
羽柴秀勝は、もとは織田信長の五男で、羽柴秀吉の養嗣子です。
小牧長久手の戦いでは叔父にあたる羽柴小一郎長秀の補佐を受けながら、伊勢・美濃方面の戦線の総大将となりました。
織田信雄
織田信雄は、織田信長の次男です。
小牧長久手の戦いにおいて徳川家康と連合軍を形成し、羽柴秀吉と対抗しました。
本拠地が伊勢の長島城にあったことから、主に伊勢の戦線を担当し、羽柴秀勝(於次丸)・羽柴小一郎長秀らが率いる軍勢と対峙することになります。
→ 織田信雄とは?織田信長の次男
→ 織田信雄の最後
→ 豊臣兄弟! 織田信雄(山脇辰哉)とは?
池田恒興
池田恒興は織田家の重臣で、織田信長とは乳兄弟の関係にあります。
小牧長久手の戦いの開戦当時は、美濃大柿(大垣)城主で、羽柴勢に加勢しました。
しかし1584(天正12)年4月9日に発生した長久手の戦いにおいて、長男の元助と婿の森長可とともに戦死しました。
→ 池田恒興とは?織田信長の乳兄弟
→ 池田恒興の最後
→ 豊臣兄弟! 池田恒興(堀井新太)とは?
豊臣兄弟!ネタバレ最終回と全話あらすじ
豊臣兄弟!あらすじ全話まとめ
大河ドラマ「豊臣兄弟!」の最新話から第1話までのあらすじや、各週の流れについては下記の記事をご覧ください。
→ 豊臣兄弟!あらすじ全話まとめ|最新話までの流れを簡単解説
豊臣兄弟!最終回までのネタバレ
本能寺の変や山崎の戦い、賤ヶ岳の戦い、豊臣政権成立までの流れについては、下記の記事で詳しく解説しています。
→ 豊臣兄弟!ネタバレ最終回まとめ|本能寺の変から豊臣秀吉の天下統一まで解説
参考文献
今回の記事は下記の書籍を参考文献としています。
これらの本の著者のうち黒田基樹さんと柴裕之さんは大河ドラマ「豊臣兄弟!」の時代考証を担当されています。
- 八津弘幸 豊臣兄弟! 後編 (NHK大河ドラマ・ガイド) NHK出版
- 桑田忠親 豊臣秀吉研究 上 角川選書クラシックス (角川選書 1402)
- 黒田基樹 羽柴秀長の生涯 (平凡社新書 1088)
- 柴裕之 羽柴秀長 秀吉の天下を支えた弟 (角川選書 679)
