戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した豊臣秀長
史料に基づく豊臣秀長の年表
NHKの2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」では、仲野太賀さん扮する豊臣秀長(小一郎)が主人公です。豊臣秀長は16世紀後半の戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した人物です。
今回の記事ではその豊臣秀長(1540〜1591年)の生涯を表した年表を、「信長公記」をはじめとした比較的信用がおける史料や文献に基づいて紹介します。
西暦(和暦) | 年齢(満年齢) | 名前 | 出来事 |
---|---|---|---|
1540(天文9)年 | 0才 | (幼名が「小竹」という説もあるが確かなところは不明) | 父・妙雲院栄本と母・天瑞院殿(なか)の次男として尾張国で誕生 |
1574(天正2)年 | 34才 | 木下小一郎長秀 | 伊勢国の長島一向一揆鎮圧のために先陣として出陣。桑名を守備 |
1578(天正6)年 | 38才 | 木下小一郎長秀 | 羽柴秀吉による中国征伐に出陣。但馬国竹田城の城代として朝来郡・養父郡を支配 |
1580(天正8)年 | 40才 | 羽柴小一郎長秀 | 但馬国出石城城主になる。羽柴秀吉の鳥取城攻めに出陣 |
1582(天正10)年 | 42才 | 羽柴小一郎長秀 | 従五位下美濃守に任官 |
1583(天正11)年 | 43才 | 羽柴小一郎長秀 | 播磨国の姫路城主として播磨・但馬の2カ国の支配と丹波福知山の経営 |
1584(天正12)年 | 44才 | 羽柴美濃守秀長 | 小牧・長久手の合戦に出陣。織田信雄と和議の交渉を行う |
1585年(天正13)年3月 | 45才 | 羽柴美濃守秀長 | 紀州征伐に出陣し戦後に紀伊・和泉を支配。和歌山城を居城とする |
1585年(天正13)年5月 | 45才 | 羽柴美濃守秀長 | 四国征伐に総大将として出陣。戦後に四国国分を行う |
1585(天正13)年8月 | 45才 | 羽柴美濃守秀長 | 大和国を加増され100万石の大名に。居城を大和郡山城に移す |
1586年(天正14)年 | 46才 | 羽柴秀長 | 九州征伐の副将として出陣。豊前・豊後・日向国方面の戦線を担当 |
1587年(天正15)年5月 | 47才 | 羽柴秀長 | 九州国分。豊前・豊後・日向・大隈国の知行割を行う |
1587年(天正15)年8月 | 47才 | 羽柴秀長 | 従二位権大納言に任官。この頃から霍乱に悩む |
1588年(天正16)年5月 | 48才 | 豊臣秀長 | 正親町上皇と後陽成天皇による聚楽行幸に公家として参列 |
1590(天正18)年 | 50才 | 豊臣秀長 | 病気の症状が次第に重くなり小田原征伐には出陣せず留守居役に |
1591(天正19)年1月 | 51才 | 豊臣秀長 | 病気のため大和郡山城で死去 |
なお、豊臣秀長が何をした人であるか、またどんな人物であったか逸話を含めたエピソードについては、「豊臣秀長 何をした人」や「豊臣秀長の逸話 6つのエピソードから 大河ドラマ 豊臣兄弟!」の記事をそれぞれ参考にしてください。
豊臣秀長の前半生について
豊臣秀長の20~30代前半までは謎が多い
豊臣秀長の51年の生涯のうち、史料に基づいてその行動や業績を明らかにできるのは、34才のときからです。豊臣秀長の名前は、織田信長の死後、兄の豊臣秀吉が天下統一事業に乗り出したのち頻繁に登場するようになります。
では豊臣秀長が20代から30代前半だった頃は何をしていたのでしょうか?おそらく秀長は1550年代後半から1560年代前半にかけての時期に兄・秀吉の家来となり、兄が織田家の中で功名を立てることを弟として影で支えていたと推測されます。
豊臣秀長 前半生の年表
1996年に放送されたNHK大河ドラマ「秀吉」や、1993年に初版が出版された堺屋太一さんの「豊臣秀長」では、秀長は兄・秀吉に従って戦や行政のことはもちろん、果ては城の石垣を修理をする人足たちの接待まで、さまざまな補佐をしたことが語られています。
西暦(和暦) | 年齢 | 出来事 |
---|---|---|
1550年代後半から1560年代前半にかけて | 10代後半から20代前半 | 織田家に仕官。兄・秀吉の家来となる |
1564(永禄7)年 | 24才 | 美濃国の斎藤龍興を攻略するために東美濃の国人衆を調略 |
1566(永禄9)年 | 26才 | 秀吉による「墨俣一夜城」の築城 |
1568(永禄11)年 | 28才 | 秀吉が京都奉行に任命されたことにより政務を補佐 |
1570(元亀元)年5月 | 30才 | 朝倉義景討伐に従軍(金ヶ崎の退き口) |
1570(元亀元)年5月 | 30才 | 姉川の戦いに従軍。兄・秀吉が信長から横山城番に任命され補佐する |
1573(天正元)年5月 | 33才 | 浅井氏の滅亡に伴い、秀吉が北近江の領地を与えられ補佐をする |
しかしながらこれらの出来事は秀吉を中心とした出来事であって、秀長は秀吉の下で何をしていたかを具体的に示す史料は乏しいと考えられています。
別の見方をすると大河ドラマ「豊臣兄弟!」では、不明な点が多い豊臣秀長の前半生をどのように描くかが、見どころの1つと言えるでしょう。
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参考文献
参考文献のうち「豊臣秀長」を編著した柴裕之さんは、NHKの2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」の時代考証を担当されています。
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