べらぼう 11話 動画と見どころ解説
べらぼう 11話 NHKの公式予告 動画の解説
べらぼう 11話 見どころ
- 吉原の女郎屋や引手茶屋である「吉原の親父」たちは「俄」で吉原の集客を図る作戦に
- 人気者である「富本節」の太夫・富本午之助を吉原側に引き込む
べらぼう 11話 あらすじ
富本午之助を吉原の祭り「俄」の目玉に
べらぼう 10話で蔦谷重三郎は、錦絵本「青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)」を、田沼意次(渡辺謙)を通して十代将軍・徳川家治(眞島秀和)に献上することに成功します。
しかし、その値段は銀二十匁(約9万4,000円)と高すぎるせいでさっぱり売れず、本の購入者が吉原の遊客となることはありませんでした。
そこで吉原の親父たちは、8月の1ヶ月間に行われる吉原の祭りである「俄(にわか)」で客よせをしようと考えます。大黒屋のりつ(安達祐実)はその目玉には富本節の太夫である、富本午之助(とみもとうまのすけ)(寛一郎)を招きたいと言い出します。
「吉原嫌い」の富本午之助は出演を拒否
さっそく蔦谷重三郎は、りつと義兄・次郎兵衛とともに「馬面太夫」こと富本午之助が出る芝居町の芝居小屋に出かけて、吉原の「俄」に出てもらえないかと出演交渉をします。
しかし午之助の答えは「吉原は好かない」で、「俄」への出演をきっぱりと拒否。そこで蔦谷重三郎は一計を案じて、富本午之助と、仲の良い歌舞伎役者である門之助を料理茶屋に呼び出します。
べらぼう 11話 ネタバレ
富本午之助は「四民」以外の身分
富本午之助が「吉原嫌い」な理由は、若いころに吉原の中見世である「若木屋」に遊びに行ったとき、「役者者(やくしゃもの)」として追い払われた経験にありました。
江戸時代は「士農工商」という身分制度が人々の前に立ちはだかる世の中でしたが、歌舞伎役者や浄瑠璃の太夫などのいわゆる「河原者」と呼ばれる芸能に携わる人々は「四民」の外。
つまり富本午之助は「士農工商」の中で最も低いとされた「商人」よりも低い身分とされていました。
もちろん現代の日本ではこうした身分制度は日本国憲法第14条の「法の下の平等」で否定されています。
富本午之助が「吉原嫌い」な理由
吉原では建前上、四民の外にある歌舞伎役者や浄瑠璃の太夫を見世に入れて女郎と遊ばせてはいけないという決まりになっていたそうです。
べらぼう11話によると、役者や太夫を吉原に入れてはいけないという決まりは、当時かなり緩くなっていました。
しかし富本午之助と門之助が入った「若木屋」ではこの決まりが厳格に適用されてしまい、それ以来、富本午之助は吉原のことを嫌いになってしまったという設定になっています。
「富本正本」の出版を手がける蔦屋重三郎
この吉原嫌いの午之助を接待して吉原の「俄」に出演してもらうのが、蔦屋重三郎の役割です。
しかし、べらぼう 11話は、「蔦屋重三郎が女郎たちと組んで午之助を接待する」→「いい気持ちにさせて吉原に連れてくる」というだけの単純なストーリーではありません。
「江戸のメディア王」らしく、ちゃんと出版物の話も絡んでいます。それが「富本正本」です。
「富本正本」とは?
「富本正本」とは浄瑠璃の一派である「富本流」の正本(詞章に節付を施した冊子)のことで、現代風にいうと「富本の楽譜」です。
蔦谷重三郎は女郎たちを使った接待の際に、この「富本正本」の「直伝」つまり「富本のお師匠さんが認めた楽譜」を「耕書堂」の名前で出版させてほしいとお願いをします。
「直伝」の「富本正本」は確実に売れる商品
「富本正本」は楽譜の本だけあって、必ずしも一般受けするような本ではありません。しかし当時、浄瑠璃の別の一派である常磐津は不振であり、富本の方に人気が集まっていました。
富本を習いたいと考える弟子たちが増えている時期であり、その中でも「直伝」の「富本正本」は弟子の数だけ確実に売れるという、「ミリオンセラーにはならなくても売れ残ることもないリスクの低い商品」だったのです。
リスクの低い商売をする蔦屋重三郎
次回のべらぼう 12話では、吉原の大門前にある「耕書堂」の店先には客がそれほど多くないにも関わらず、「富本正本」は確実に捌ける商品として紹介されるシーンがあります。
このように蔦屋重三郎は、遊女評判記「一目千本」・吉原細見「籬の花」・錦絵本「青楼美人姿合鏡」の出版で見せたように、手堅いビジネスの才覚を「富本正本」の発行でも見せるのです。
なお、べらぼうのあらすじとネタバレ初回から一気に読みたいという方は、「2025年大河ドラマべらぼうの全話あらすじとネタバレ一覧」という記事の、「べらぼう 各話あらすじとネタバレ解説」という項目を参考にしてください。
べらぼう 11話 用語
大河ドラマ「べらぼう」11話に登場する用語の用語集です。ドラマを視聴する際の参考にしてください。
- 俄(にわか)
- 正本(しょうほん)
- 馬面太夫(うまづらだゆう)
- 富本節(とみもとぶし)
- 太夫(たゆう)
- 浄瑠璃(じょうるり)
- 常磐津(ときわづ)
- 河東(かとう)
- 直伝(じきでん)
- 出語り(でがたり)
- 稲荷町(いなりまち)
- 四民(しみん)
- 当道座(とうどうざ)
- 二上がり(にあがり)
- 富本豊前太夫(とみもとぶぜんだゆう)
そのほかの分からない単語につきましては、五十音順になった「べらぼう 用語集」の記事を参考にしてください。
べらぼう 11話 主な登場人物・キャスト・役柄
3月16日に放送される、べらぼう 11話で登場する蔦屋重三郎・富本午之助・鱗形屋孫兵衛などの主なキャスト・役柄は以下の記事を参考にしてください。
べらぼう 11話 関連記事
当道座に関する詳細については下記の記事を参考にしてください。
