べらぼう ことばたたかいとは「辞闘戦新根」 恋川春町の黄表紙本

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ことばたたかいと日本人による言葉・物体・存在の擬人化

ことばたたかいとは「ことばたたかいあたらしいのね」のこと

NHKの2025年大河ドラマ「べらぼう」の19話「鱗の置き土産」・21話「蝦夷桜上野屁音」・22話「小生、酒上不埒にて」で登場するセリフの1つの「ことばたたかい」という言葉があります。

「ことばたたかい」とは「辞闘戦新根(ことばたたかいあたらしいのね)」のことであり、江戸時代中期の戯作者・恋川春町(岡山天音)が書いた黄表紙作品のことです。

黄表紙「辞闘戦新根(ことばたたかいあたらしいのね)」の内容

「辞闘戦新根」は流行り言葉を擬人化した化け物が主役となり、摺師彫師板元など出版業界に関わりのある人物を物語の中に取り入れて対立させるという奇想天外な物語です。

べらぼう19話で「鯛の味噌吸(たいのみそず)」・「四方の赤(よものあか)」という蔦屋重三郎(横浜流星)のセリフがあります。これらの言葉は「辞闘戦新根」の中で使われている言葉です。

日本人による無生物の擬人化 「艦これ」「刀剣乱舞」との比較

戯作者としての恋川春町が活躍する江戸時代中期において、日本人はすでに言葉という「無生物」を擬人化する作品を愛でる傾向があったことがうかがえます。

現代の日本では「艦これ」や「刀剣乱舞」のように、実在した物体や歴史的存在を擬人化(=モノの擬人化)し、商品として一定の評価を受けることがあります。恋川春町の「辞闘戦新根」を面白がった江戸時代中期の人たちは、現代の日本人が「艦これ」や「刀剣乱舞」の作品を面白がっている感覚と共通するものがあると言えるでしょう。

生物ではない物体や存在に擬似的に生命を吹き込み、それらを愛でるという日本人の習慣は、「べらぼう」の時代背景である江戸時代から、今なお受け継がれています。

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