べらぼう 1話 「ありがた山の寒がらす」あらすじ(1月5日放送)
火事が蔦重と吉原の町を襲う
時は1772(明和9)年。江戸の町に大火が襲うところから、べらぼう 1話「ありがた山の寒がらす」のお話が始まります。
その火は蔦重(つたじゅう)・重三(じゅうざ)こと蔦屋重三郎(横浜流星)が生まれ育った吉原(よしわら))の町を襲います。その火事が広がることを恐れた蔦重と吉原の遊女たちは、逃げ惑います。
そんな中、重三郎は親もなく、呼びかけても返事もしない子ども・唐丸(からまる)(渡邉斗翔)の手を引いて、ひたすら走り続けるのです。
引手茶屋・駿河屋の一隅で貸本屋をする蔦重
その火事から1年半が過ぎた1773(安永2)年、吉原の五十間道の引手茶屋・駿河屋で蔦重が働いています。その茶屋の仕事の合間に蔦重は貸本屋の仕事もしています。さまざまな本を担いでは吉原の女郎屋を回り、本を貸し出していたのです。
松葉屋の花魁・花の井が蔦重に頼み事
ある日、幼なじみで松葉屋の花魁・花の井(小芝風花)が、蔦重に河岸見世の女郎・二文字屋の朝顔(愛希れいか)に料理を届けるように頼みます。
べらぼう 1話 「ありがた山の寒がらす」ネタバレ(1月5日放送)
蔦重の幼名は「喜多川柯理(きたがわからまる)」
べらぼうの1話ではまず蔦屋重三郎の本名が明らかになります。
重三郎は引き取り手のない子どもに「唐丸(からまる)」という名前をつけますが、この名前は自分の幼名が「丸山柯理(まるやまからまる)」であることから来ています。
女郎の世界 大見世・松葉屋と河岸見世の二文字屋の対比
華やかに見える吉原にも絶望的な差を示すランク付けがあることです。
贅を尽くした吉原の大見世・松葉屋と河岸見世・二文字屋の対比。女郎の世界で花の井がいる世界がトップだとすれば、朝顔がいる世界はまさに最底辺です。
朝顔もかつては松葉屋の花魁でしたが、体を壊し最下層の河岸見世の女郎(切見世女郎)となり、今では日々の食べ物にも困る生活をしています。
「警動(けいどう)」を断る田沼意次
そして、蔦重のもとに朝顔の死が知らされます。朝顔の最期は盗人に着物を剥がされて墓地の穴に無造作に捨てられているという有り様でした。
品川・板橋・新宿・本所などのいわゆる岡場所への「警動(けいどう)」をすれば、朝顔の死のような不幸な出来事が起こらなくなるのではないかと考えた蔦重は奉行所に掛け合いますが、相手にされず。
ならばとつてを頼って、蔦重は老中・田沼意次(渡辺謙)に「警動」をしてもらうことを頼みます。
しかし、経済事情に明るい田沼は吉原のライバルとなる、岡場所を「警動」で取り締まりをしても吉原自体に魅力がなければ客は集まらないと看破します。
「吉原細見(よしわらさいけん)」との出会い
そこで蔦屋に戻った蔦重が目にしたのは、「吉原細見(よしわらさいけん)」です。現代風にいうと「吉原のガイドブック」です。
自分が「吉原細見」を作ることで岡場所に奪われた遊客を取り戻せるのではないかと思い付きます。
べらぼう 1話 「ありがた山の寒がらす」に登場する用語(1月5日放送)
1月5日に放送される大河ドラマ「べらぼう」1話に登場する用語集です。ドラマを視聴する際の参考にしてください。
- 九郎助稲荷(くろすけいなり)
- 五十間道(ごじっけんみち)
- 蔦屋(つたや)
- 引手茶屋(ひきてちゃや)
- 地口(じぐち)
- 禿(かむろ)
- 花魁道中(おいらんどうちゅう)
- お歯黒どぶ(おはぐろどぶ)
- 揚屋(あげや)
- 揚代(あげだい)
- 岡場所(おかばしょ)
- 老中(ろうじゅう)
- 警動(けいどう)
- 河岸見世(かしみせ)
- 忘八(ぼうはち)
そのほかの分からない単語につきましては、五十音順になった「べらぼう 用語集」の記事を参考にしてください。
九郎助稲荷(くろすけいなり)
吉原の南東にあった稲荷。縁起は711(和銅4)年で降臨した黒狐と白狐のうち、黒狐の方を千葉九郎助の勧請で祀ったことから始まったと言われている。
五十間道(ごじっけんみち)
吉原に出入りするために必要な大門に接する唯一の道。遊客や観光客を目当てにした小料理屋や引手茶屋が並んでいました。
蔦屋
蔦屋重三郎が駿河屋市右衛門の養子になった後に、働いていた茶屋。
引手茶屋(ひきてちゃや)
もともとは遊客に揚屋を紹介していたが、時代を経るにつれ、揚屋に代わって遊女屋と仲介するようになる。
地口(じぐち)
江戸時代の江戸市中に住む庶民(江戸っ子)が日常的に使っていた洒落(しゃれ)や言葉遊びの一種。
べらぼう1話の「ありがた山の寒がらす」や、10話で使われる「かたじけ茄子」・「大当たりのこんこんちき」・「仰せの通り油町」などがその代表例。
禿(かむろ)
位の高い女郎のそばで身の回りの世話をする年若い少女のこと。
花魁道中(おいらんどうちゅう)
揚屋を通して遊客に指名された花魁がその揚屋に向かうこと。「道中」とも言われることも。時代が下るにつれて着飾って傘をさし、箱提灯を掲げて行列をなすというスタイルになっていきます。
お歯黒どぶ(おはぐろどぶ)
吉原を囲う堀のこと。吉原の女郎たちはこの堀に、使い終わったお歯黒を投げ捨てていたことからこの名前に。
揚屋(あげや)
遊客と遊女を仲介する店。遊客が揚屋にあがって花魁を指名すると、指名があった旨の書状が遊女屋に送られます。
揚代(あげだい)
遊客が遊女屋に支払う料金のこと。
岡場所(おかばしょ)
「飯盛女」と称して私娼をおいている遊興街のこと。吉原は幕府による許可(公許)を得て営業していましたが、岡場所は無許可営業。当時は、本所以外に品川・新宿・千住・板橋など街道筋の宿場町にも岡場所が存在しました。
老中(ろうじゅう)
江戸幕府で政務を統括する最高職で、大老に次ぐ位の高い役職。
警動(けいどう)
社会の風紀を正すために幕府が岡場所の取り締まりを行うこと。
河岸見世(かしみせ)
吉原の中でも最低ランクの女郎が集まる見世。揚代は百文(約4,700円)程度。吉原にはお歯黒どぶ沿いに東の羅生門河岸と西の浄念河岸(西河岸)が存在しました。
「べらぼう」の朝顔が在籍する「二文字屋」は浄念河岸(西河岸)にあるという設定です。
忘八(ぼうはち)
女郎屋や遊女屋の主人のこと。「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の八つの徳目を忘れたろくでなしとされることからこの名前で呼ばれるようになります。