べらぼう 12話 俄なる明月余情 あらすじ(3月16日放送)
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「俄(にわか)」で集客を図る吉原遊郭の関係者たち
べらぼう 11話で富本午之助に吉原の「俄(にわか)」に出演してもらうことに成功したものの、準備不足のため結局、午之助は禿たちと相撲を取っただけで帰ってしまいます。
今年の「俄」こそは吉原の内だけの小さな催しに終わらないよう、吉原の遊郭関係者たちは小さな子どもや女性にも来てもらえるよう企画を考えます(「俄」の期間中は通行切手が不要で誰でも吉原内に出入りができました)。
大文字屋と若木屋が張り合う
その吉原の遊郭関係者たちの中でも特に気合いが入っているのが、ドケチで有名な「カボチャ」こと大見世の大文字屋市左衛門(伊藤淳史)と、板元の西村屋与八(西村まさ彦)がひいきにしている中見世の若木屋です。
若木屋は「俄」の差配(さはい。主導権のこと)を握るために、西村屋と組んで錦絵「青楼俄狂言尽(せいろうきょうげんづくし)」を出版します。
「俄番付」の出版を思いつく蔦屋重三郎
若木屋の錦絵に対して大文字屋は特に策はなく、蔦屋重三郎には吉原の親父たちから呼び出しも受けません。
「俄」が始まる8月1日まで大文字屋と若木屋の競争をはたから眺めているだけで、当日になっても2人の出し物である「雀踊り」を見守るのみです。そんなんとき勝川春章(前野朋哉)が、磯田湖龍斎(鉄拳)が書いた「青楼俄狂言尽」を見て、悔しそうにしています。
そんな春章の姿を見た蔦屋重三郎は、俄の期間が始まっているにも関わらず、「俄」の出し物を示す「俄番付」の出版を思い付きます。
べらぼう 12話 ネタバレ
「俄(にわか)」の期間は誰でも出入りが可能
「俄(にわか)」とは吉原に取って紋日(イベント)の1つで、6月の玉菊燈籠と並んで吉原の存在を世間に示す絶好の機会です。
「俄」は毎年旧暦の8月1日から1ヶ月間にわたって毎日行われていて、この期間中は大門にある四郎兵衛会所で通行切手を示す必要はなく、子どもでも一般の女性でも誰でも吉原に自由に出入りができたと言われています。
その出入り自由な環境と祭りの喧騒を利用して、松葉屋の女郎であるうつせみ(小野花梨)と小田新之助(井之脇海)は吉原から足抜けします。
「俄踊り」とは
「俄」で出される踊りのことを「俄踊り」と言われます。元は幇間などの芸人が吉原で見せる寸劇や即興劇から始まり、歌舞伎の要素も取り入れられるようになります。
大文字屋と若木屋が「俄」の期間中ずっと踊り続けていた「雀踊り」とは、この「俄踊り」の一種でしょう。
朋誠堂喜三二と俄番付「明月余情」(にわかばんづけめいげつよじょう)
このような吉原独特の雰囲気に魅せられてしまった朋誠堂喜三二(平沢常富)(尾美としのり)は、蔦屋重三郎に頼み込まれて俄番付「明月余情」の「序」の部分を執筆します。
当時、朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)は鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)が出版する青本の専属作家であり、蔦屋重三郎と関係を持つことは難しい状況でした。
「明月余情」の次は「娼妃地理記(しょうひちりき)」
しかしべらぼう12話では「吉原好事家(吉原マニア)」である朋誠堂喜三二にとって、大文字屋と若木屋の競争も含めて「俄」の雰囲気について語らずにいられない様子が描かれています。
この「明月余情」をきっかけとして、蔦屋重三郎と朋誠堂喜三二の関係が深まり、1777(安永6)年の遊女評判記「娼妃地理記(しょうひちりき)」の出版につながります。
なお、べらぼうのあらすじとネタバレ初回から一気に読みたいという方は、「2025年大河ドラマべらぼうの全話あらすじとネタバレ一覧」という記事の、「べらぼう 各話あらすじとネタバレ解説」という項目を参考にしてください。
べらぼう 12話 用語
大河ドラマ「べらぼう」12話に登場する用語の用語集です。ドラマを視聴する際の参考にしてください。
- 雀踊り(すずめおどり)
- 青楼俄狂言尽(せいろうにわかきょうげんづくし)
- 女歌舞伎(おんなかぶき)
- 引札(ひきふだ)
- 猪牙舟(ちょきぶね)
- 俄番付(にわかばんづけ)
- エレキテル(えれきてる)
- 当世風俗通(とうせいふうぞくつう)
- 藤間勘之助(ふじまかんのすけ)
- 西川扇蔵(にしかわせんぞう)
- 寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
- 明月余情(めいげつよじょう)
- 娼妃地理記(しょうひちりき)
そのほかの分からない単語につきましては、五十音順になった「べらぼう 用語集」の記事を参考にしてください。
雀踊り(すずめおどり)
歌舞伎舞踊のこと。「喧嘩雀(けんかすずめ)」とも言われます。
青楼俄狂言尽(せいろうにわかきょうげんづくし)
西村屋与八が板元となっている錦絵。作者は磯田湖龍斎。
女歌舞伎(おんなかぶき)
歌舞伎の一形態で女性を中心として演じられた歌舞伎のこと。
引札(ひきふだ)
広告用のチラシのこと。
猪牙舟(ちょきぶね)
江戸時代に江戸市中の河川でよく使われていた、屋根のない細長い小舟で船足が速い。
俄番付(にわかばんづけ)
「俄」としての出し物を書き示したもの。
エレキテル(えれきてる)
平賀源内が発明した静電気を発生させる摩擦起電器のことで、電気応用治療器としても使われていました。「エレキテルセエリテイト」とも言われていました。
当世風俗通(とうせいふうぞくつう)
1773年(安永2)年に出版された朋誠堂喜三二の洒落本で絵は恋川春町が担当。若者向けの女郎買いの指南書。
藤間勘之助(ふじまかんのすけ)
日本舞踊の名跡の1つ。
西川扇蔵(にしかわせんぞう)
日本舞踊の名跡の1つ。
寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
「曽我兄弟」の話をモチーフにした歌舞伎狂言の演目の1つ。
明月余情(めいげつよじょう)
朋誠堂喜三二が「序」を執筆し、勝川春章が墨絵を担当した吉原俄番付。蔦屋重三郎が「耕書堂」として出版。
娼妃地理記(しょうひちりき)
朋誠堂喜三二が「道蛇楼麻阿(どうだろまあ)」のペンネームで執筆した洒落本の遊女評判記。蔦屋重三郎が出版。
12話 主な登場人物・キャスト・役柄
ナレーション・語り
役名 | キャスト | 役柄 |
---|---|---|
九郎助稲荷 (くろすけいなり) | 綾瀬はるか | 吉原の南東の隅にあるお稲荷さん |
板元・出版関係者
役名 | キャスト | 役柄 |
---|---|---|
蔦屋重三郎 (つたやじゅうざぶろう) | 横浜流星 | 吉原大門前にある耕書堂の主人。 吉原俄番付「明月余情」を出版 |
留四郎 (とめしろう) | 水沢林太郎 | 駿河屋の拾い子。「耕書堂」を手伝っている |
鱗形屋孫兵衛 (うろこがたやまごべえ) | 片岡愛之助 | 江戸の地本問屋「鱗形屋」の主人。 富本正本の出版を企画 |
西村屋与八 (にしむらやよはち) | 西村まさ彦 | 江戸の地本問屋「西村屋」の主人。「青楼俄狂言尽」を出版。 |
恋川春町 (こいかわはるまち) | – | 駿河小島藩藩士で本名は倉橋格(くらはしいたる)。黄表紙作家 |
朋誠堂喜三二 (ほうせいどうきさんじ) | 尾美としのり | 秋田藩士で本名は平沢常富(つねまさ)。吉原マニア「宝暦の色男」で黄表紙作家。「明月余情」の「序」を執筆 |
北尾重政 | 橋本淳 | 人気絵師 |
勝川春章 | 前野朋哉 | 人気絵師。「明月余情」の絵を担当 |
磯田湖龍斎 | 鉄拳 | 錦絵「「青楼俄狂言尽」の作者 |
忠七 (ちゅうしち) | – | 西村屋の手代 |
吉原の親父たちとその関係者
役名 | キャスト | 役柄 |
---|---|---|
次郎兵衛 (じろべえ) | 中村蒼 | 引手茶屋「蔦屋」の主人。駿河屋市右衛門の実の息子。 |
駿河屋市右衛門 (するがやいちえもん) | 高橋克実 | 引手茶屋「駿河屋」の主人。蔦屋重三郎の養父 |
ふじ (ふじ) | 飯島直子 | 引手茶屋「駿河屋」の養母。屋重三郎の女将 |
りつ (りつ) | 安達祐実 | 女郎屋「大黒屋」の女将 |
大文字屋市兵衛 (だいもんじやいちべえ) | 伊藤淳史 | 女郎屋「大文字屋」の主人。あだ名は「カボチャ」 |
若木屋 (わかぎや) | – | 女郎屋「若木屋」の主人。大文字屋と「俄」で争う |
丁子屋 (ちょうじや) | – | 女郎屋「丁子屋」の主人 |
吉原の女郎たち
江戸市中の人たち
役名 | キャスト | 役柄 |
---|---|---|
平賀源内 (ひらがげんない) | 安田顕 | エレキテルの実演販売 |
小田新之助 (おだしんのすけ) | 井之脇海 | 平賀源内の弟子。「俄」に紛れてうつせみを吉原から連れ出して姿を消す。 |
富本午之助 (とみもとうまのすけ) | – | 富本節の太夫で「馬面太夫」と呼ばれる。「富本豊前太夫」を襲名 |
幕政に関わる人たち
役名 | キャスト | 役柄 |
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松平定信 (まつだいらさだのぶ) | – | 白河松平藩藩主・松平貞邦の養子に。田安賢丸から松平定信に改名。青本を大量購入 |
千賀道有 (せんがどうゆう) | – | 幕府の奥医師 |
べらぼう 12話 蔦屋重三郎 何才?
べらぼう 12話の時代は江戸時代中期の1777(安永6)年のお話です。
このとき蔦屋重三郎は28才、田沼意次は59才、田安賢丸(のちの松平定信)は19才と言う設定です(いずれも数えの年齢)。「べらぼう 年表」の記事と合わせてご確認下さい。