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町方人別帳(まちかたにんべつちょう)をわかりやすく説明
人別に名前が掲載される意味
NHKの2025年大河ドラマ「べらぼう」の18話「歌麿よ、見徳は一炊夢」で登場するセリフのうち、「にんべつ」とは漢字で「人別」と書き、「町方人別帳(まちかたにんべつちょう)」のことを意味します。この人別とは現代でいう戸籍のことです。
江戸時代の江戸では治安や秩序維持の観点から、町奉行所や町役人たちによって、町人に対する厳格な住民管理が行われていました。
「人別」に名前が載っている江戸の町人は「住まいがある」・「定職を持っている」・「身元保証人がいる」という、いわゆる「ちゃんとした人」・「まっとうな人間」であることを意味します。
歌麿が人別に掲載されて嬉しかった理由
べらぼう 18話の後半で、「捨吉」と名乗っていた歌麿(染谷将太)は、新しく「勇助」として自分の名前が載っている人別の写しをもらって感動します。
これは夜鷹の母親に虐待され、さらにヤス(高木勝也)という母親のヒモ男に脅されながら育ったため、自分は「ちゃんとした人」と思ってこなかった生い立ちと関係しているでしょう。
もう1つの人別: 「宗門人別帳」
ちなみに江戸時代の「人別」にはもう1つの別の人別帳があり、こちらは「宗門人別帳(しゅうもんにんべつちょう)」と言います。宗門人別帳には、町方人別帳に掲載されている当人の名前・檀家(菩提寺)・宗旨などが掲載されています。
江戸時代において幕府はキリスト教を禁教としていました。住民がキリスト教徒にならないように、宗教政策の一環として、町方人別帳への登録とともに宗門人別帳への登録もすすめていたのです。
ただし、べらぼう 18話の内容からすると歌麿が手にして感動した人別とは、宗門人別帳ではなく町方人別帳であると考えられます。
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