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蔦唐丸の狂名が持つ意味とは
「柯理」から狂名の「蔦唐丸」を考案
NHKの2025年大河ドラマ「べらぼう」20話「寝惚けて候」で、蔦屋重三郎(横浜流星)は「蔦唐丸(つたのからまる)」という狂名を名乗ることになります。
狂名とは狂歌を読むときに使う「ペンネーム」のことです。大田南畝(桐谷健太)の招きに応じて、参加した狂歌の会(狂歌連)が予想外に面白く滑稽で、思わず自分も狂歌を詠んだことから狂名を持つことになりました。
狂名の「蔦唐丸(つたのからまる)」とは、蔦重の幼名である「柯理(からまる)」から来ている名前であると考えられます。
文化人たちと交際するために作った蔦屋重三郎の吉原連
実在した蔦屋重三郎もやはり「蔦唐丸」という狂名を持ち、「べらぼう」の大田南畝がそうであるように、自分で「吉原連」という狂歌連まで作っていました。
ただし蔦屋重三郎の場合は、自分で面白おかしく狂歌を詠むためというよりは、四方赤良(よものあから)(大田南畝の狂名)・朱楽菅江(あけらかんこう)(浜中文一)・唐衣橘洲(からごろもきっしゅう)など当代一流の文化人と交際するための、「人的ネットワーク作り」という側面が強かったと考えられます。
重三郎は狂歌本を出版する一方で、狂歌師の仲間入りを果たす。自分も狂歌を詠みはじめたのだ。屋号の蔦屋重三郎と本名の喜多川柯理にちなみ、狂名は蔦唐丸という。これにより、狂歌本の出版では、他の版元よりも断然有利な立場を得たことは見逃せない。 版元にとって狂歌本出版の早道は、狂歌師との距離を縮めることである。その手段として、狂歌師の顔を持つことにしたのだろう。所属した連は吉原連だった。
安藤 優一郎. 蔦屋重三郎と田沼時代の謎 (PHP新書) (p. 86). (Function). Kindle Edition.
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