廓ばかむら費字盡(さとのばかむらむだじづくし)と費字(むだじ)の例
廓ばかむら費字盡とは
NHKの2025年大河ドラマ「べらぼう」の22話「小生、酒上不埒にて」で登場する、「廓ばかむら費字盡(さとのばかむらむだじづくし)」とは漢字遊びの青本のことです(※「ばかむら」の漢字はたけかんむりに「愚」)
「べらぼう」の作中では、登場人物たちは「廓ばかむら費字盡」のことを、「さとのばかむら」または「むだじ」と呼んでいます。
往来物「小野篁歌字尽(おののたかむらうたじづくし)」がヒント
当時、漢字を覚えるために「小野篁歌字尽(おののたかむらうたじづくし)」という、子供向けの学習書である往来物がありました。
この往来物は部首が同じ漢字を並べてリズム良く覚えることができるのが売りで、恋川春町はこの往来物をヒントに青本としての「廓ばかむら費字盡」を書きます。
費字(むだじ)の例
「廓ばかむら費字盡」で説明されている「費字(むだじ)」の例をいくつか紹介しましょう。
見立て(みたて)
「廓ばかむら費字盡」のあるページには、漢字の偏(へん)が「女」で、間に余白をおき、旁(つくり)が「男」という字があります。この字は「見立て」を意味し、つまり女郎屋に遊びに来た男性が女郎を店の外から品定めをしているということです。
後朝(きぬぎぬ)
「見立て」の字がある同じページには、漢字の偏が「男」で、旁が「女」と書く字がありますが、「見立て」と違って「男」と「女」がくっついています。この字は「後朝(きぬぎぬ)」を意味し、一夜を共にした男女が分かれ難くなっている状態を表しています。
大一座(だいいちざ)
また大河ドラマ「べらぼう」をノベライズした「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 二 Kindle版」では吉原で宴会をする団体客のことを表す、愉快な字も紹介されています。
中には「吐」を囲むように「客」や「敵(女郎)」の字を配置して「大一座(団体客)」と読ませたり(字の横には吐いている客を介抱する女郎や仲間の客の姿が描いてある)
森下 佳子; 豊田 美加. べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 二 (p. 247). (Function). Kindle Edition.
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