べらぼうの家田屋とは
べらぼうで家田屋が登場する回
NHKの2025年大河ドラマ「べらぼう」に登場する家田屋(いえだや・いえたや)とは、吉原の五十間道で蔦重の義兄・次郎兵衛(中村蒼)が経営する蔦屋の二軒隣で営業をしている茶屋のことです。家田屋の主人は家田屋半兵衛と考えられます。
べらぼうで家田屋が登場するお話は主に以下のお話です。
家田屋の跡地に蔦重の「耕書堂」が入ることになるが…
べらぼう 13話「お江戸揺るがす座頭金」で瀬川(小芝風花)と本気で所帯を持つことを考えている蔦重(横浜流星)は、本屋ができる物件を探します。そんなとき吉原の親父様たちの1人である女郎屋・大文字屋市兵衛(伊藤淳史)から、蔦屋のすぐそばの家田屋が店を仕舞うと言う話を聞きつけます。
蔦重はこの家田屋を買い取り、翌年の1月2日から瀬川と一緒に本屋「耕書堂」を始められるよう開店準備で忙しくなります。しかしその前日の1月1日に瀬川は、蔦重に置き手紙を残して吉原から姿を消します(べらぼう 14話)。
結局、元・家田屋を使っての「耕書堂」は蔦重が一人で始めることになるのです(べらぼう 15話)。
蔦屋重三郎と家田屋の関係
家田屋跡の「耕書堂」は本の小売だけ
蔦屋重三郎は、べらぼう10話「青楼美人の見る夢は」で錦絵本「青楼美人合姿鏡」を刊行した時点では、まだ本の小売と自分で出版した本を売るだけの小さな書肆(本屋)にしか過ぎません。蔦重が出版した本は、西村屋与八や鶴屋喜右衛門の地本などとは違って、江戸市中に流通させることはできないのです。
残念ながら、この家田屋を買い取って「耕書堂」を蔦屋の軒先から移動させた1777~1778(安永6~7)年でも、権利関係は変わっておらず、蔦重は江戸市中に出版した本を江戸市中に流通させるために、地本問屋の仲間ではありませんでした。
「耕書堂」が地本問屋になるのは丸屋小兵衛の権利を買ったのち
ではその蔦屋重三郎が出版した本が正式に江戸に流通させられるようになるのは、いつのことでしょうか?
それは1783(天明3)年のことと考えられています。このとき「丸小(まるこ)」とも言われた、日本橋通油町の丸屋小兵衛(まるやこへえ)が地本問屋が仲間の権利を蔦屋重三郎に売ったときからと考えられています。
蔦屋重三郎はこの日本橋通油町に地本問屋「耕書堂」を構えることになります。
