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豊臣秀長 側室 摂取院光秀 秀長のもう一人の妻

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摂取院光秀(せっしゅいんこうしゅう)とは

実名は不明の秀長の側室・摂取院光秀

2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主人公・豊臣秀長仲野太賀)には、正室(正妻)である慈雲院「豊臣兄弟!」の慶)のほかに、側室(別妻)にあたる女性・摂取院光秀(せっしゅいんこうしゅう)(1552~1622年)の存在が確認されています。

「摂取院光秀」とは法名のことで、俗名は不明です。秀長の側室となった時には何と呼ばれていたかは分かっていません。

摂取院光秀の出自

摂取院光秀の父は秋篠伝左衛門尉(あきしのでんざえもんのじょう)(1518~1592年)という人物で、元々は大和国を領国とした筒井氏の家臣でした。

1585(天正13)年に筒井定次が大和から伊賀に転封となった際、それには従わず、代わって大和を領国とした豊臣秀長に仕えるようになります。

その際、伝左衛門尉の娘であった摂取院光秀も女房衆として秀長に仕えるようになったと見られます。

摂取院光秀とはどんな人物で何をした人なのか

34才のときに「秀長の長女」を出産

摂取院光秀は秀長の女房衆から妾になることは想定されていたかもしれませんが、子どもを産むことまでは想定していなかったでしょう。

1587(天正15)年、摂取院光秀が34才のときに秀長の長女を出産。残念ながらこの女の子の名前はまだ分かっていません。

しかし、秀長の長女を出産したことにより、摂取院光秀は妾の立場から別妻(側室)の立場に引き上げられたと考えられています。

娘は「豊臣秀保の妻」に

摂取院光秀が出産した女子は、秀長が亡くなる直前の1591(天正19)年1月に、すでに1588(天正16)年に秀長の養嗣子として認められていた豊臣秀保と婚姻の約束を取り交わします。

さらに1594(文禄3)年には大和郡山城で正式に2人の婚儀が執り行われました。

このように摂取院光秀の娘が秀長の後継者である豊臣秀保と婚約・結婚をしたことにより、「大和大納言家」における摂取院光秀の立場は引き上げられていったことが想像できるでしょう。

秀長・秀保の家系が断絶したのちは秀吉から知行を受け取る

その後、豊臣秀長・秀保と大和・紀伊の2カ国で二代続いた領国支配は、豊臣秀保の病死によって終わりを告げます。

秀保の死後、秀保の妻となった摂取院光秀の娘については、その動向を知らせる資料がなく、どのような人生をたどったのかは不明です。

しかし、摂取院光秀自身は豊臣秀吉から直接、大和国新堂村(現在の奈良県橿原市)で200石の知行を与えられていることが分かっています。

秀長死後における摂取院光秀のエピソード

秀長の死後に「摂取院光秀」の法名を名乗る

また摂取院光秀は秀長の死後に比丘尼となって、自慶院心慶が院主を務める弘文院(こんぶいん)(興福院の前身)に入寺。

1620(元和6)年に自慶院心慶が死去したことに伴い院主を務めることとなり、その後、1622(元和8)年に死去したことが分かっています。

「秀長が尼さんを妾にした」は誤り

なおインターネットや文献などで豊臣秀長のことを調べていると、たまに「豊臣秀長は尼さんを妾にした」という逸話を見かけます。

その「尼さん」とは、おそらく比丘尼となった摂取院光秀のことを指していると思われますが、「豊臣秀長 (シリーズ・織豊大名の研究)」ではその俗説を否定しています。

摂取院光秀については、延宝六年(一六七八)に編纂された奈良の名所案内記である『八重桜』で比丘尼であった彼女を秀長が見初めて大和郡山城へ連れて帰って愛妾としたとする。しかし、『庁中漫録』の記載に従えば、彼女が出家したのは秀長の別妻となる前ではなく、秀長が亡くなった後なので誤りである。

柴裕之編著「豊臣秀長 (シリーズ・織豊大名の研究)」戎光祥出版 37ページより

豊臣秀長 側室 摂取院光秀 関連記事と参考資料

豊臣秀長 側室 摂取院光秀の関連記事

豊臣秀長の側室(別妻)である摂取院光秀については以下の記事でも紹介しています。

豊臣秀長 側室 摂取院光秀の参考資料

「豊臣秀長 側室 摂取院光秀 秀長のもう一人の妻」の記事を書くにあたって以下の文献を参考にしました。著者の柴裕之さんと黒田基樹さんは、いずれも2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で時代考証を担当されています。

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