豊臣兄弟! 11話 あらすじ
「将軍殺し」の松永久秀が信長の前に現れる
織田信長(小栗旬)が三好三人衆を撃退した摂津国の芥川城に松永久秀(竹中直人)がやってきます。
世間では室町幕府第十三代将軍を殺したのは松永久秀であると噂されていますが、久秀は信長に将軍殺しは濡れ衣であることを訴えます。そして大和国の支配を許してほしいと願い出て、名高い茶器を差し出すのでした。
信長は仮の御所となっている本圀寺(ほんこくじ)で、久秀がやってきたことを報告すると明智光秀(要潤)をはじめとした将軍の奉公衆たちは久秀の態度に大激怒。
しかし信長は久秀と事を構えると「三好三人衆」につけ込まれると意見具申をし、足利義昭(尾上右近)から松永久秀の扱いについて一任されるのでした。
三好三人衆が足利義昭が籠る本圀寺を襲撃
一方、小一郎(仲野太賀)と藤吉郎(池松壮亮)の豊臣兄弟たちは信長から堺の会合衆(堺の自治を担う豪商の集まり)から2万貫の矢銭(軍用金)を調達してくるように命じられます。
会合衆の1人である津田宗及は、矢銭を催促する信長の書状を見るなり渋い顔。そこで小一郎は会合衆から調達した2万貫でもって、会合衆から300挺の鉄砲を購入することを提案します。
しかし小一郎が購入する予定であった300挺の鉄砲は「三好三人衆」に流れ、1569(永禄12)年1月にその鉄砲でもって、三好長逸・三好宗渭・岩成友通たちは足利義昭の仮御所となっている本圀寺を攻撃し始めました。
豊臣兄弟! 11話 ネタバレ
浅井長政が治めていた地域から豊臣秀長の家臣たちが輩出
「豊臣兄弟!」は10話から浅井長政(中島歩)が登場し、11話でも長政に嫁いだお市(宮﨑あおい)との夫婦生活の様子が描かれます。
当時、浅井長政が浅井家の当主として治めていた北近江とは、1573(天正元)年に羽柴秀吉が浅井長政を殲滅し、織田家の武将として近江国の長浜12万石の大名となった時に支配した領域と重なります。
この北近江の地はのちに豊臣秀長を支える家臣となる、藤堂高虎(佳久創)・小堀正次・吉川平介などを輩出。
藤堂高虎は軍事と外交、小堀正次は検地を含む農政、吉川平助は水運業と木材管理にそれぞれ長けており、いずれも特定の分野で才能を持った優れた家臣たちでした。
藤吉郎と三好家の関係について
また同じく「豊臣兄弟!」の10話から11話にかけて「三好三人衆」と呼ばれた三好長逸(みよしながよし)・三好宗渭(みよしそうい)・岩成友通(いわなりともみち)が登場します。
彼らは織田信長の上洛を阻み、将軍の仮御所となっている本圀寺を襲っていることから、「豊臣兄弟!」では「悪役」の扱いです。
しかし1582(天正10)年に本能寺の変で織田信長が敗死したのち、畿内における政治の情勢は一変します。
木下藤吉郎秀吉は同年の6月ごろから10月ごろにかけて、のちに豊臣秀次と呼ばれるようになる甥の宮部次兵衛尉吉継(みやべじへえのじょうよしつぐ)を、「三好三人衆」のうち三好長逸と三好宗渭の従兄弟にあたる三好康長の養子として出すことになります。
養子縁組をする目的は羽柴家と三好家の友好関係を保つためです。
1569(永禄12)年ごろの時代を描いている「豊臣兄弟!」の11話の時点では、藤吉郎(池松壮亮)は織田家の一部将に過ぎません。このときの藤吉郎にとって三好三人衆は憎い敵ですが、10年以上過ぎると政治情勢は全く変わってしまうのです。
なお、大河ドラマ「豊臣兄弟!」のとあらすじとネタバレを1話から最終回まで一気に読みたいという方は、「豊臣兄弟! ネタバレ あらすじ 最終回まで 2026年大河ドラマ」という記事を参考にしてください。
豊臣兄弟! 11話 キャスト 相関図
豊臣兄弟! 11話 キャスト 相関図
大河ドラマ「豊臣兄弟!」の11話に登場する人物のキャスト一覧とその相関図です。
豊臣兄弟! 全体のキャスト 相関図
大河ドラマ「豊臣兄弟!」全体のキャスト 相関図については下記の記事が参考になります。
また「豊臣兄弟!」のキャスト 相関図の中でも豊臣家の人たちだけにしぼったものについては下記の記事が参考になります。
豊臣兄弟! 11話 関連記事と参考文献
豊臣兄弟! 11話 関連記事
のちに豊臣秀長の重要な家臣で近江国が出身であった藤堂高虎・小堀正次・吉川平介は下記の記事で詳しく紹介しています。合わせて参考にしてください。
- 藤堂高虎 豊臣秀長の家臣 秀長死後は秀保に近侍 軍事と外交を担当
- 豊臣秀長と藤堂高虎の関係とは 秀長と高虎の7つの逸話・エピソード
- 小堀正次(小堀新介) 秀長の家臣 検地奉行として財政を管理
- 吉川平介(吉川平助) 豊臣秀長の家臣 豊臣家の山奉行
また瑞竜院殿日秀尼(「豊臣兄弟!」のとも)と三好吉房(「豊臣兄弟!」の弥助)の長男・豊臣秀次が宮部継潤や三好康長の養子となっていた経緯については下記の記事が参考になります。
豊臣兄弟! 11話 参考文献
今回の記事は下記の書籍を参考としています。これらの著作の著者のうち、黒田基樹さんと柴裕之さんは大河ドラマ「豊臣兄弟!」で時代考証を担当されています。
- 八津弘幸 豊臣兄弟! 前編 (NHK大河ドラマ・ガイド) NHK出版
- 黒田基樹 羽柴秀吉とその一族 秀吉の出自から秀長の家族まで (角川選書)
- 柴裕之(編著)豊臣秀長 (シリーズ・織豊大名の研究) 戎光祥出版
- 桑田忠親 豊臣秀吉研究 上 角川選書クラシックス (角川選書 1402)
