べらぼう 上知(あげち)とは領地を召し上げて天領にすること

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上知(あげち)の狙い

「べらぼう」の上知とは松前藩の蝦夷地を天領にすること

NHKの2025年大河ドラマ「べらぼう」の21話「蝦夷桜上野屁音」以降のお話で登場人物たちがよく口にする「上知(あげち)」とは大名や旗本が持っている領地を召し上げることを意味します。

老中・田沼意次(渡辺謙)は、生前の平賀源内(安田顕)から蝦夷地には金銀銅の鉱物資源が豊富にあることを聞かされていました。また仙台藩の藩医である工藤平助が記した「赤蝦夷風説考」によると、蝦夷地にはオロシャの船が交易を求めてやってくると言います。

鉱物資源も交易もいずれも幕府の財政にとって巨大な利益。財政を預かる田沼意次としては、蝦夷地に眠る莫大な富は、一大名に過ぎない松前藩に任せておくことは勿体無いことに思えるのでしょう。蝦夷地を松前藩から上知をして、幕府の直轄領である「天領」にしたいところです。

ロシア貿易と蝦夷地開発を狙った田沼意次

「べらぼう」の21話以降に田沼意次・意知(宮沢氷魚)親子は、上知を行なっても世間が納得するように、松前藩が「抜荷」をしている証拠を探し出そうとします。

史実でも田沼意次は老中在任期間の後半には、蝦夷地を天領にすることを計画していました。1785(天明5)年5月にロシア貿易と蝦夷地開発のための調査団を派遣しています。これらはロシアとの交易で日本の物産を輸出し、代わりに輸入した金銀を日本国内に還流させる狙いがありました。

しかし翌年の1786(天明6)年8月に田沼意次が失脚したことにより、これらの事業は中止となります。

天保の改革と上知令

ちなみに「上知」と聞いて日本史で最も有名な「上知」は、1843(天保14)年に老中・水野忠邦が「天保の改革」の一環として発布した「上知令(あげちれい/じょうちれい)」でしょう。

水野忠邦は幕府の権威向上を図るために、江戸・大坂周辺の大名や旗本の領地を強制的に移転させ、その土地を幕府の天領にしようとしました。

しかし、江戸・大坂周辺の土地は徳川家康の治世の頃に領地として認められたケースが多く、大名や旗本たちからの激しい反発を受けて上知令は撤回され、「天保の改革」はその2年後に頓挫します。

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