豊臣兄弟! 8話 あらすじ
「墨俣一夜城」は囮だった
1566(永禄9)年夏、木曽川の上流。美濃・川並衆の蜂須賀正勝(高橋努)と織田家家臣・前野長康(渋谷謙人)が指揮をして筏作りの作業が進んでいました。丸太で組んだ筏を木曽川に流し、墨俣でそのまま砦の馬防柵や防御壁として使うためです。
織田信長(小栗旬)の作戦は墨俣の砦と囮として使い、実は稲葉山城の支城として最も近くにある北方城を攻略するという策です。
そのため信長から藤吉郎(池松壮亮)と小一郎(仲野太賀)に与えられた役割とは、できるだけ長く斎藤方の軍勢を墨俣に引き付けておくことでした。
しかし織田信長の囮作戦を見抜いている斎藤家の武将が2人いました。美濃国の北方城主・安藤守就(田中哲司)と菩提山城主・竹中半兵衛です。
囮作戦を見抜いていた安藤守就
斎藤龍興(濱田龍臣)はこれまで通り、墨俣に砦が出来上がる直前を見計らって兵を出し、築城を阻むつもりでした。
しかし今度の築城作戦は今までと違います。木曽川の流れに乗ってそのまま馬防柵や防御壁として使える筏がやってきたため、墨俣にはわずか一晩で簡易な砦が組み上がっています。
この「一夜城」に驚いた斉藤勢は軍勢を繰り出し、砦を破壊しようと試みます。斎藤軍が墨俣砦に引き寄せられている間、藤吉郎と正勝は応戦。その一方で小一郎と前野長康らの別働隊はこっそりと砦を抜け出し、本当の攻撃目標である北方城に向けて移動します。
しかし墨俣砦は囮であることを見抜いていた北方城の安藤守就はすでに応戦の態勢を整えており、小一郎ら織田方の別働隊には攻め込む隙がありません。
豊臣兄弟! 8話 ネタバレ
信長自身が指揮した墨俣築城
「豊臣兄弟!」の第8話では1566(永禄9)年夏の出来事として、墨俣に砦が築かれたことを描いています。
豊臣秀吉研究の第一人者である國學院大学名誉教授の故・桑田忠親さんの著作「豊臣秀吉研究 上」によると、ちょうど「豊臣兄弟!」 の第8話で「木曽川の流れに乗った筏がそのまま墨俣砦の馬防柵や防御壁として使用される」という描写が説明されています。
年(一五六六)七月、信長は伊勢に出陣して、かの地に砦を設けるための準備と触れ、さっそく作事奉行に命じて、大小の長屋十軒、楼十、塀二千間、柵木五万本を仕立てさせ、尾張一国の兵を三分し、その三分の一を以て敵逆襲の防禦に充て、他の三分の二を以て墨股築塁の工事に当たらせた。かくて、これらの材料を、まず、木曾川の上流に運び、筏に組んで川を下させ、同時に信長自から未明に諸勢を率い、小牧山を出発して墨股に着し、部下を指揮して一挙に築塁に取り掛かった。
桑田 忠親. 豊臣秀吉研究 上 角川選書クラシックス (pp. 161-162). (Function). Kindle Edition.
墨俣守備の功により旗の使用を許された木下藤吉郎
さらに桑田名誉教授は同著でこのように文章を続けています。
この報告に接した斎藤龍興は、しばしば墨股を襲撃したが、信長は巧みにこれを禦ぎつつ、昼夜兼行、二、三日にして工事を竣えさせ、秀吉に命じて、この砦を守らせ、かつ、十五か条の掟を定めて、軍規を厳ならしめた。そこで秀吉は、稲田貞祐・青山秀昌・加治田景儀・蜂須賀正勝らを番手としてこれを守らせ、稲葉山からの襲撃に対して、堅く部下を戒め、機を見て敵陣地に夜襲を試み、大勝を博することを得た。
桑田 忠親. 豊臣秀吉研究 上 角川選書クラシックス (pp. 161-162). (Function). Kindle Edition.
確かに織田信長は「一夜城」を思わせる驚異的なスピードで築城の工事を終わらせたようです。
また「墨俣一夜城作戦」の部将であった木下藤吉郎秀吉も築城が終わったのち、砦から部下たちが出撃することを戒め、砦をよく守ったとあります。
この功により秀吉は織田信長から一手の大将であることの象徴である旗を使うことを許されます。
なお、大河ドラマ「豊臣兄弟!」のとあらすじとネタバレを1話から最終回まで一気に読みたいという方は、「豊臣兄弟! ネタバレ あらすじ 最終回まで 2026年大河ドラマ」という記事を参考にしてください。
豊臣兄弟! 8話 キャスト 相関図
豊臣兄弟! 8話 キャスト 相関図
大河ドラマ「豊臣兄弟!」の7話に登場する人物のキャスト一覧とその相関図です。
豊臣兄弟! 全体のキャスト 相関図
大河ドラマ「豊臣兄弟!」全体のキャスト 相関図については下記の記事が参考になります。
また「豊臣兄弟!」のキャスト 相関図の中でも豊臣家の人たちだけにしぼったものについては下記の記事が参考になります。
豊臣兄弟! 8話 関連記事と参考文献
豊臣兄弟! 8話 関連記事
織田信長の墨俣砦を使った囮作戦を予め見破った安藤守就については下記の記事で紹介しています。
豊臣兄弟! 8話 参考文献
今回の記事は下記の書籍を参考としています。これらの著作の著者のうち、黒田基樹さんと柴裕之さんは大河ドラマ「豊臣兄弟!」で時代考証を担当されています。
