豊臣兄弟! 14話 あらすじ
「金ヶ崎の退き口」で藤吉郎が殿を志願 小一郎は最後尾の配置に
第13話で浅井長政(中島歩)の裏切りが発覚し、金ヶ崎城で怒り狂う織田信長(小栗旬)。軍議で藤吉郎(池松壮亮)の部隊が織田軍の最後尾である殿(しんがり)を務めることが決まり、信長は大慌てで京へ撤退することになります。
信長が藤吉郎に与えた命令は二刻(約4時間)だけ追撃する朝倉軍を食い止めて、その後は本隊の後を追えというもの。
戦において「退き陣(撤退戦)」は最も難しいとされ、殿を務める部隊は全員討ち死の覚悟をしなければならない過酷な任務。世にいう「金ヶ崎の退き口」です。
その殿を務める木下隊の中でも小一郎(仲野太賀)は一番後ろの配置を志願。夜の山道に向かいます。
豊臣兄弟は殿の役目を完遂 信長は京に無事脱出
朝倉軍は信長が逃げたことを知ると追撃を開始。小一郎が潜む山道にも朝倉兵が侵入し、激しい交戦となります。
交戦中に小一郎の部隊が後退するように見せかけて朝倉の兵たちを誘い出すと、後方では蜂須賀正勝(高橋努)ら川並衆が巨木が倒し、朝倉の部隊を前後に分断。そこへ藤吉郎が率いる弓隊が一斉に矢を射かけて朝倉の兵たちを混乱に陥れます。
こうして二刻の間、見事に朝倉の追撃を防いだ木下隊。その後は取るものも取らず、本隊の後を追ってひたすら逃げ出します。
そのころ、二条御所では先に逃げた織田信長が足利義昭(尾上右近)の前で、朝倉・浅井への復讐を誓うのでした。
豊臣兄弟! 14話 ネタバレ
「金ヶ崎の退き口」で信長の信任を得た豊臣秀吉
「金ヶ崎の退き口」で藤吉郎(池松壮亮)が殿を務めて朝倉軍の猛追撃を防ぎ、織田信長(小栗旬)を京まで無事に逃したことによって、信長の大きな信任を得ることになります。
國學院大学名誉教授の故・桑田忠親さんの著作「豊臣秀吉研究 上」によると、「金ヶ崎の退き口」における秀吉の功績をこのように評価されています。
朝倉氏の押えとしては、別に年来のよしみをもって信長の援軍となって朝倉攻めに参加した徳川家康がいるにはいたが、織田勢の退き口を誰がつとむべきかが、重大問題であった。評議区々たる半ば、進み出でて、この難役を引請けたのが、木下藤吉郎秀吉であった。 青年時代における秀吉の自作と伝える狂歌に、「人はみなさして出づるこそよかりけれ軍の時も先駈けをして」というのがあるが、この狂歌の真偽はともかく、秀吉には常に、この、さし出でた振舞があり、さらに彼の実力がその振舞を裏書きした結果は、積極主義者である信長の信任を深め、抜群の出世をなすに至ったものである。
桑田 忠親. 豊臣秀吉研究 上 角川選書クラシックス (pp. 173-174). (Function). Kindle Edition.
小一郎は本当に「殿の殿」を務めたのか?
「豊臣兄弟」の14話において「金ヶ崎の退き口」で殿を務める木下隊の中でも、小一郎(仲野太賀)は一番後ろの配置を志願します。
実は堺屋太一さんの小説「豊臣秀長 ある補佐役の生涯」でも、小一郎は殿の中でも最後まで金ヶ崎城に残る役割を与えられています。
夜になると、兄は竹中半兵衛らの提案を採用して、精兵二千を連れて城を出た。 「小一郎は城を守れ……」 兄はそう命じた。 兄の部隊は城の前方左右に伏せ、敵がうかつに城に近づくと内外から挟み撃ちにしようというのである。こうしておくと、今夜一晩は包囲されることはあるまい。明朝の脱走路を確保するにはこれが最良の方法だ。
堺屋 太一. 全一冊 豊臣秀長 ある補佐役の生涯 (PHP文庫) (p. 275). (Function). Kindle Edition.
ただ実在した豊臣秀長が「金ヶ崎の退き口」において実際に「殿の殿」を務めていたかどうかは分かりません。
「金ヶ崎の退き口」は1570(永禄13)年の出来事で、豊臣秀長が「信長公記」など比較的信用がおける史料に登場するのは1574(天正2)年以降のことだからです。
1574年以前の豊臣秀長は何をしていたのか史料を使って説明することはできないのです。
なお、大河ドラマ「豊臣兄弟!」のとあらすじとネタバレを1話から最終回まで一気に読みたいという方は、「豊臣兄弟! ネタバレ あらすじ 最終回まで 2026年大河ドラマ」という記事を参考にしてください。
豊臣兄弟! 14話 キャスト 相関図
豊臣兄弟! 14話 キャスト 相関図
大河ドラマ「豊臣兄弟!」の14話に登場する人物のキャスト一覧とその相関図です。
豊臣兄弟! 全体のキャスト 相関図
大河ドラマ「豊臣兄弟!」全体のキャスト 相関図については下記の記事が参考になります。
また「豊臣兄弟!」のキャスト 相関図の中でも豊臣家の人たちだけにしぼったものについては下記の記事が参考になります。
豊臣兄弟! 14話 関連記事と参考文献
豊臣兄弟! 14話 関連記事
実在した豊臣秀長は1574(天正2)年以降にその動向が明らかになります。その年表については下記の記事が明らかになります。
豊臣兄弟! 14話 参考文献
今回の記事は下記の書籍を参考としています。これらの著作の著者のうち、黒田基樹さんと柴裕之さんは大河ドラマ「豊臣兄弟!」で時代考証を担当されています。
