豊臣兄弟! 12話 あらすじ
藤吉郎は京都奉行に抜擢されるも女遊びが盛んになる
「本圀寺の変」を教訓とした織田信長(小栗旬)は「足利将軍の城」として洛中に二条城をわずか3ヶ月で築城。しかし二条城には隠し部屋や抜け道があちこちに存在し、信長が足利義昭(尾上右近)を蔑ろにしている態度が透けてみえます。
一方、藤吉郎(池松壮亮)は京の治安や町政を司どる京都奉行に抜擢されたものの、慣れない役目に苦戦。連歌の会や蹴鞠の会に参加しても今までとはまるで勝手が違い、公家たちからの嘲笑の的に。
ただ藤吉郎は岐阜から離れた京で単身赴任をして寧々(浜辺美波)の目が届かないせいか京での女遊びが目立つようになってきました。
織田家の同盟・浅井家は越前の朝倉家から人質を要求されていた
藤吉郎と小一郎(仲野太賀)は京での仕事に加えて、信長からの命令で伊勢国や但馬国へ転戦させられるなど息つく暇もない忙しい日々を過ごしています。
そんなある日、藤吉郎と小一郎の兄弟は信長の供をするために、北近江の小谷城に向かいます。浅井長政(中島歩)に嫁いだお市(宮﨑あおい)はすっかり母親の顔つきをしており、嫡男・万福丸も自分の子でないにも関わらず懐いている様子。
しかし小谷城の別室では、越前国の大名・朝倉義景の家臣である朝倉景鏡(かげあきら)が、長政の父・浅井久政に対して、万福丸を朝倉の人質として差し出すよう要求していたのです。
豊臣兄弟! 12話 ネタバレ
織田信長も気づいていた寧々の嫉妬深さ
「豊臣兄弟!」の12話で藤吉郎(池松壮亮)は京都奉行として多忙の日々を過ごす一方、女遊びをすることにも余念がなかったようです。藤吉郎の女遊びを察知した寧々(浜辺美波)は、感情を押し殺して岐阜に戻った藤吉郎に冷たくあたります。
豊臣秀吉研究の第一人者である國學院大学名誉教授の故・桑田忠親さんによると、寧々はどうやら美人かつ嫉妬深い女性だったと指摘しています。
特に寧々の嫉妬深さについては、織田信長も気づいていたようです。藤吉郎と寧々の夫婦喧嘩を仲裁するために、信長から寧々に宛てた手紙が現代に残されています。その内容を現代語訳をすると以下の通りです。
仰せのとおり、このたびはじめてこの地へ参り、ようやく滞在いたしております。
おみやげの品々、その美しさはまことに目にも余るほどで、筆にも尽くしがたいほどでした。
こちらからも、せめて祝儀の代わりに何か差し上げようかと思いましたが、
そちらから見事な品をいただきましたので、特に改めて贈り物をするのもどうかと思い、
今回はまずこのままご挨拶だけ申し上げます。
次に参上する折には、それにふさわしいお礼をいたしたく存じます。とりわけ、そちらのご容貌やお姿は、
先ごろお目にかかった折よりも十倍、二十倍もご立派に見受けられました。
藤吉郎(=豊臣秀吉)にも、度々お便りが届かない旨、申し伝えましたが、
そのことはまことに遺憾なことでございます。どちらにお尋ね申し上げても、あの「禿ねずみ」(=藤吉郎のことを戯れに呼んでいる)が
容易に見つからぬため、これからはお体を大切にされ、
何事も神仏のように慎重にお考えの上で行動なさるのがよろしいでしょう。
ただし、女性としてのお役目ですので、
言葉に出さずとも、それなりに心を込めておもてなしなさるのがよいかと存じます。
なお、文亭(=書斎)において、羽柴(=藤吉郎=秀吉)にお目にかかりたいと願っております。織田信長(朱印)
藤吉郎の奥様
織田信長が寧々に宛てた書状の原文は「寧々(ねね) 性格 織田信長とねねの関係 高台院の性格」という記事で確認することができます。
実子をもうけることができなかった豊臣秀吉と北政所(寧々)夫妻
また「豊臣兄弟!」の第12話の寧々は「自分は子を産むことができないかもしれない」と言い出します。実在した豊臣秀吉と寧々(北政所)の夫妻の間には実子をもうけることはできませんでした。
そのかわり、秀吉と北政所は、「於次丸」と呼ばれた羽柴秀勝(織田信長の五男)・ごう(前田利家の娘)・小姫(織田信雄の娘)・羽柴秀俊(木下家定の五男)という4人の子供たちと養子縁組をします。
慶(慈雲院)が安藤守就の娘として登場
さらに「豊臣兄弟!」の第12話の最後には、慶(ちか)(吉岡里帆)が安藤守就(田中哲司)の娘として、小一郎のお見合い相手として登場します。慶(ちか)とは豊臣秀長の正室(正妻)である慈雲院(じうんいん)と呼ばれる女性です。
「豊臣兄弟!」で時代考証を担当されている柴裕之さんと黒田基樹さんは、それぞれの著作「豊臣秀長 (シリーズ・織豊大名の研究)」と「羽柴秀吉とその一族」において「慈雲院の出自は不明である」と指摘されています。
それだけに「慶は安藤守就の娘である」という「豊臣兄弟!」の設定については、驚きを隠せません。
なお、大河ドラマ「豊臣兄弟!」のとあらすじとネタバレを1話から最終回まで一気に読みたいという方は、「豊臣兄弟! ネタバレ あらすじ 最終回まで 2026年大河ドラマ」という記事を参考にしてください。
豊臣兄弟! 12話 キャスト 相関図
豊臣兄弟! 12話 キャスト 相関図
大河ドラマ「豊臣兄弟!」の12話に登場する人物のキャスト一覧とその相関図です。
豊臣兄弟! 全体のキャスト 相関図
大河ドラマ「豊臣兄弟!」全体のキャスト 相関図については下記の記事が参考になります。
また「豊臣兄弟!」のキャスト 相関図の中でも豊臣家の人たちだけにしぼったものについては下記の記事が参考になります。
豊臣兄弟! 12話 関連記事と参考文献
豊臣兄弟! 12話 関連記事
豊臣秀吉と北政所(寧々)の夫婦仲に関するエピソードは下記の記事でも言及しています。
たくさんの側室や愛妾と関係を持ったことが知られている豊臣秀吉ですが、正室である寧々を決して蔑ろにすることはなかったようです。
また吉岡里帆さん演じる慶やモデルとなっている豊臣秀長の正室・慈雲院については下記の記事で言及しています。併せて参考にしてください。
豊臣兄弟! 12話 参考文献
今回の記事は下記の書籍を参考としています。これらの著作の著者のうち、黒田基樹さんと柴裕之さんは大河ドラマ「豊臣兄弟!」で時代考証を担当されています。
